1年生のころ、クラスに馴染めなかった私。 お昼も休み時間も、図書室で過ごすようになっていた。 静かで、でも孤独で。 「隣いい?」 「え、あ、はい」 クラスの委員長である、竹中湊くん。 いきなりだったから、びっくりした。 「何の本?」 「え、あの、野球の。甲子園目指してるお話です」 「野球好きなんだ?」 「音が好きなんです」 そう言うと、腕を掴まれベランダに連れてこられた。