それだけ言って、素早く家に入る。

玄関で深呼吸を何度か繰り返して落ち着いた後、リビングへと向かう。


「あ、お帰り春子」

「ただいま、お姉ちゃん」


夕子お姉ちゃんは、大学の3回生。

そろそろ就活とかはじめなくていいの?って聞いたら、今のバイト先に就職するつもりらしい。


「ミ●ドのドーナツ買ってきたからお腹空いてたら食べなー」

「うん、ありがと」


私と話している間も雑誌から目を離さないお姉ちゃん。