それは、中2の5月のことだった。

修学旅行を間近に控え、皆がそわそわし出した頃。

私、中山千佳は同クラの男子、森叶歌に、匿名で、二年A組N、とだけ書いて告白した。

修学旅行でそわそわしてたのもあるんだろうけど、手紙は、クラスメイトのほぼ全員に回し読みされてた。

あまりに残酷な仕打ちに、言葉が出ない。

バンッと乱雑に戸を閉めて、教室から飛び出す。

「最低っ......!!!」

ありえない。

なんで!?

人の気持ちをなんだと思って......ッ