おにぎりかこれ…


「先生、料理上手なんだ」


その大雑把で無駄にエロい性格からは想像がつかない特技だ。


「陽!先生のことなんて褒めないで…うまっ」


怒りながらおにぎりを食べ、素直に褒める千晶だった。


「あ?ちげーよ、旦那」


「旦那いたんだ…」

「旦那いる身で陽を誘惑したの!?」


なんでそーなる。


「だありんのおにぎりの方がうまいだろー?」


結局それが言いたかっただけらしい。


「陽の方が美味しい…かも」


不安になるな。


「…バカップル。で?よく眠れてる?」


「陽〜あーん」


見事にスルーした。


また唐揚げを千晶の口に放り込む。


「あ、千晶。今日俺バイトだ」


用事を思いだし、千晶に告げる。


「え〜…?つまんない…」


明らかに機嫌が悪くなった。


「だから夜は学食食べて」


「ちえー」


俺のバイトは平日基本夜からで、土曜はお昼からだ。

火曜と木曜と土曜に入る。

自炊はさすがに無理なので、千晶には学食か自炊か選べる方の学食を選択してもらうことになる。

俺はまあ、賄いが出るから。