キーンコーンとチャイムがなり、授業の終了を知らせた。
と。
「陽っ!」
ほら、案の上来たやんけ。
渋々立って、自殺に近い行動すなわち会いに行く。
「や、やあ千晶さま」
「陽!どーゆーこと!?」
「いや、こっちがどーゆーことかと…」
すっごい勢いで怒る千晶さま。
黒髪をぶんぶん揺らして、その顔は驚愕と怒りに満ちていた。
「お、落ち着け。まずは…」
「あれ猫女だよね?この間の!
『彼女さ〜ん、チョコつくってあげません?』とか…なめてんの?
陽、まさかあの猫女と「違うから!」
だんだん色気に溢れた無表情に染まっていく顔をなんとか止めたくて、手を制止のポーズにして千晶を止める。
「あの人は千晶と俺の味方だよ!」
「…み、かた?」
きょとんと可愛らしく固まる。
「そう。俺たちの仲を応援しようとだな…わかる?」
「おう、えん」
俺の言葉を律儀に反芻して、なんとか飲み込もうとする。
「もっとラブラブにさせたいなーとか思ってるんだって」
「…ラブラブ」
考えこむような仕草をして。
「…そういえば、チョコって言ってた。
『甘いチョコで布留くんの心を掴め!』みたいな」
「バレンタインデーだからね」
「それ、チョコなの?」
「そうチョコ」
やはりバレンタインデーを知らなかったか。



