◇◇◇



「なんで?」



牛乳をおひげにしながら、イチゴのカップから顔をあげる。


え。


「いや、寂しくないかなーって」


「なんで?陽といて寂しいわけないよ」



そう

有言実行の俺は、朝早速聞いてみたのだ。




『幸せ報告会をしないか』、と。




そしたらこの反応が帰ってきた。


「なに?陽は幸せじゃないの?

千晶といて?」




「いや、その」




卵かけご飯をあむっと食べて言葉を濁す。



「なぞの空虚感が」


「なに?虚しいってゆーの?千晶といるのに?」


「えっとその…」



ガタッと勢いよく立ち上がって、お味噌汁が溢れる。


ツカツカと立ち上がって向かいに座る俺を目指す。



手に武器はない。



だが…




命の危険を覚え、本能的に目を閉じた。




「…!?」


そんな俺は、なぜか暖かさに包まれた。



それが抱き締められたと認識するまで、かなりの時間を要するのは境遇ゆえだろうか。



それとも、千晶だからだろうか。



「ちあ…」


「あのね陽」