「一つは、子供が欲しかった」
「――は?」
目を見開く彼。
「なん…はぁ?潔癖がガキ作れんのかよ」
「まあー待て待て」
手で制して、指を一本たてる。
「本人は望んでないかもしれないけど、本人の奥底の方で望んでた……ってよくある話」
「いや、なんで望むのさ」
「考えてみ?
小さいときの美澤の母親は嘘だったんだよ。
お母さんって感じてたのは、全部虚言でさ。
本性はビッチで汚いただの女。
もらわなかったんだ、真実の母親の愛をさ。
無意識のうちに欲していたんだ。
例えそれが己が子供へ向けた愛だったとしても、母親の愛であることに変わりはねーかんな」
「…可哀想なやつだな、美澤」
「同情すんなら金…じゃなかった、愛をくれーってな」
「ギャグになってねぇよ、朱祢たん」
こんっと頭を小突かれた。痛い。



