愛すと殺すと



小さい子供にとって、母親は神様である。


世界であり、頼るべきものであり、希望である。


その世界が崩れた子供は、人より早く大人にならなくちゃならない。


頑張って、背伸びして。


骨だけが伸びて体が追い付かないように、そういう子供はどこかがおかしいまま大きくなる。

無理矢理。

溝を埋められないまま、どんどん。



「人間は汚いって思ったら触れて欲しくなかったんでしょ。
潔癖とも言えるけど、ちょっと違う。

あれは菌が汚いとか油が汚いとかから始まったんじゃない。行為が汚いから始まったから。」

「行為が汚いって…じゃあビッチの件は?」

「それなんだよなぁ」


理不尽な点はそこ。

触れて欲しくないならやらなければいい。

やって、汚くなって、自分を傷つけて。



「…仮定は三つある」