愛すと殺すと



「――結局、なんなの?」


帰り道。
いまいちわかっていない旦那の声音が夜道に響く。


「……強迫障害かと最初は思ったんだが――違う」

「じゃあなんだよ?病気なのには間違いねぇだろ」


「んー…」


私以外はあまり興味ない旦那が、珍しく聞きたがっている。

だからまあ、話そうと思ったわけだ。




「…あれは、トラウマからの自己暗示」




「トラウマ?あぁ…親のあれを見たってことか」

「そうそう。たったそれだけって思うじゃん?

でもね、小さい小さい子供の世界では、それは重すぎて受け止められない事実なんだよ。

立派な虐待だよこれは。

性的虐待」

汚いことと思ってしまうのは、仕方のないこと。
精神が大人になれていないのだ。
子供の頃に感じた、見てしまった時の感想のまま育ってしまった。


それは、間違いなく


「それをケアすべき存在の親に、二重に裏切られた」


これのせい。


「『バレちゃったかぁ』
その一言で母親は母親を止め、女になって――」