愛すと殺すと



「触らないでって…」

びっくりしたのか、目を見開いた先生。
そして、目を鋭くして睨みをきかせてきた。



「……お前、布留にもこの反応するつもりか?」



「っ、」

その言葉に心が沈む。

ズドン、と。

予想外だったのだ。
ふざけるなとか、酷いとか。そんなこというかと思ってたから。

「…陽紀く、…」

「布留が好きなんだろ?愛してんだろ?触れてほしいんだろ?

んな拒絶系女子なんも萌えねーぞ?キョゼデレなんてねーしよ」

頭悪いことを言いやがる。

「そもそもお前があいつを好きになった理由はなんだ?あいつそんなにいい男じゃなくね?」

「……ぅ」

なんなんだ。


このひとの調子を狂わす話し方は。


「ぶっちゃけ私のだありんの方がいい男だしー」


きゃあ言っちゃったと女子高生的に騒ぐ。

「まあ…あいつは、私の息子みたいなもんなんだ。

愛されるなんて幸せだな。ん。なんか嬉しいや」

柔らかい、暖かい目をした。

「あ…」

その、目。


――あぁそっか。


「私、その目が――陽紀くんがもつような、暖かい目が好きなの」

気づけば呆然と口走っていた。

先生のその視線の辿る先は――陽紀くん。
陽紀くんの視線の辿る先は、あの彼女。