「なぁに喧嘩してんのだありんっ!しかも子供相手に!」
そして、今まで圧倒的な存在だった彼が。
いとも簡単に飛んでいった。
ぴゅーっと、漫画みたいにとんで、べちゃっと落ちる。
かなりカッコ悪い彼は、落ちたときに鼻からいったのか鼻血を垂らしながら――己をヒーローから恥態に一気に変えた人物を見据えた。
女だ。
まだ若い、20代くらいの――
「ハニー!」
わーいっ!と目を輝かせて、彼は彼女に抱きつきにかかる。
「ごめんね、俺ちゃんとアカネたん校門前で待ってたんだけど、なーんかうるさいから行ったら助けてって…ほら、アカネたんのだありんが助けたとかになったらアカネたんの評判が上がるかなって」
「うるせーし、くさい」
「ぅぐぉっ!」
彼女は近づいた彼を足で遠退け、私を見やる。
「えっと、あのぉ……先生?」
やや戸惑うが、見た目は先生だ。
「んー?わり、顔が……って、あぁ!みぃか!」
ポンッと柏手を打って。
「てか何?どーしたのそのボロボロ…おしゃれか?」
私の脚のボロボロ加減を見て、驚く先生。
「違います。強姦されかけただけです」
あんまり関わって欲しくないし、ぷい、とそっぽをむくと。
「えぇ!?マジかよ!」
予想通り驚いた声をあげた。



