愛すと殺すと

どんどん汚れていく。



帰ったら洗わなきゃな。


傷だらけになっても、血でタオルが染まっても。


必死になって洗おう。




じゃないと、陽紀くんにみてもらえないからさ。



――陽紀、くん?




「陽ぉ…きく…」




会いたいな。


あの暖かい目で、冷たいナイフを溶かしてほしい。


春みたいに暖かい目を、独り占めして、それで――





「助けてほしいか?」






突如、どこか他人事と言った声が響いた。


「へっ…」


「なんだてめぇ」

一人の男が威嚇する。


視線をおうと、闇に紛れて男が立っていた。



「お前に聞いてねぇよ。そっちの女に聞いてんの。

助けてほしい?」



助けてほしいなら助けてやろう、といった感じの上から目線だった。