「アイツに借りれば?
気になってたみたいだし」
「?」
アイツ?誰だろうと首をかしげ、
「布留」
その単語に耳が鼓膜が神経が、震えて反応し出す。
「布留くん、は、関係ないし、えと…」
句読点がつい多くなった。
戸惑っているのだ。
黒、笑顔、視線、女、靴、青、肯定――
ごちゃまぜになって布留陽紀の輪郭が作られた。
「借りなよ!いいじゃんホラ、言っちゃうよ、布留!」
「え!?あ、いや、いいの本当にっ」
本当に。
彼には彼の世界があるし、なにしろ私は彼となんの関わりもない。
「気になってないし…」
「……」
うーん、とちょっと悩んで。
「でも布留はいいやつだよ?彼女にさえバレなきゃ大丈夫だよ」
「……彼女」
束縛感強すぎなアレか。
私とは真反対の彼女さん。
ノート、ねぇ…



