「…みぃ、起きてよ!」
「……あ」
嫌だ、珍しく寝てしまった。
学校では優等生だから、珍しいよ本当。
机に突っ伏したままだった顔をあげ、目を擦る。
眼鏡は無意識にとっていたらしい。
つけてたら圧迫してあとがつく。
かちゃ、と度が入ってないのに等しい眼鏡をかけた。
「大丈夫?風邪でもひいた?」
あ、肩触られた。
化粧の匂いがつかないか心配し、さりげなく払う。
「大丈夫だよ帆音ちゃん。
ちょっと昨日遅くまで本読んでて…」
「もぉーう!ダメだよみぃ!」
ぎゅう、と手を捕まれて抱き締められる、気持ち悪い。
「…今、」
「みぃ二時間ぶっ通しで寝てたんだよ?
四時間目」
「うそ…ノート写させ、」
そう言おうとして飲み込んだ。
気持ち悪い。
嫌だ、他人にすがるなんて。
とくに化粧の匂いがするノートなんて、まっぴらだ。
「あー、ごめん!私も寝ててさぁ、ノートとってねーんだよね」
「…そっか」
どっちにしろ無理か、やくたたず。



