朝食を適当に作って食べて、
二人で手を繋ぎながら登校した。
「あ」
途中、千晶が絡めた手を外して去った。
…手を繋ぐって意外にも触れ合うんだなあ、と空虚感で理解した俺。
それはとにかく、どこいったんだ?
見ると、何かを必死で蹴っていた。
あぁ、と理解。
そして
「千晶。そんなものに構わなくても、いいんだよ?」
そんなのより俺を見た方がいい、とかかっこいいこと言えばいいんだけどさ。
俺の言葉に足がやみ、パタパタと走りよってきた。
「はぁい♪」
そうして指を絡めて、また歩き出す。
ぐちゃぐちゃに踏まれた蒲公英を振り返ることは、しなかった。