「あー…恋って難しいな」



 頬杖をつきながら、俺は微笑んだ。




「うん…。そうだね。
 でも、だからこそ楽しいんだよ」




 七倉は、真っ直ぐな瞳で微笑んだ。


 …ああ、そうだな。




 知らない間に複雑になっていく恋。


 想いを知るのが怖くて、逃げ続けた恋。



 君が笑ってほしくて隣にいてほしくて、いつだって君への想いは溢れてた。




 やっぱり恋は難しい。


 どんなに手を伸ばしても、届きそうにない。




 だけど、君に近づきたいから。

 俺は、必死に手を伸ばす。



 届くまで、諦めずに。





 晴天の夏空を、ガラス越しに見上げた。


 ……茜、今何してっかな。





 頭の中は、君のことで詰まっている。


 心の中は、君色で染まっている。





 動き出す勇気と熱い君への想いがあれば、難しい恋でも毎日が楽しく輝き出す。

 俺はそう信じてる―――……。