今日は、Wデートの時みたいに走らずに、ゆっくりと余裕を持って駅に到着した。


 駅前にある時計のところで、矢崎を待ってる私。




「……今は、9時半か」



 本当にゆっくり歩いたな、私。


 前はそんなに経ってなかったのに。






「まだかなぁ」






 なんか、待つのって楽しい。


 矢崎が来てないかソワソワして、今日はどんなデートになるかワクワクして。




 心の中が、ずっとふわふわしてるの。






「――もうすぐ10時だ」



 早く来ないかなぁ、矢崎。




 矢崎に「可愛い」って言わせたい。

 そのために可愛くしたんだから。




 遥陽のためじゃなく、矢崎だけのために可愛くしてあげたんだからね…。