そうそう。
先輩と話した翌日、瀬奈には全てを打ち明けた。

瀬奈は、『大馬鹿ものっ!』と私を叱りつけ、そして優しく頭を撫でてくれた。


もちろん並木さんのことも話した。

私の早過ぎる心変わりを軽蔑するどころか、盛大に喜んでくれて。
次は絶対一番になりなさいって、応援もしてくれる。

心強い一番の味方。

もっと早く打ち明けていれば良かった。



「明日、何着ようかな」


ベッドから降りてクローゼットを開く。

中を物色すると出てくるのは、先輩とのデートの為に着ようと思って買った洋服達。

実際に着た物から、まだ袖を通していないものまである。


「あ…この服…」


初めて先輩と映画を見に行った時に着た小花柄の膝上ワンピース。

この服、先輩が可愛いって頬赤くしながら言ってくれたんだっけ…


懐かしさに、思わず頬が綻ぶ。
だけど、もう先輩のことを思い出してもドキドキはしない。

私の気持ちは確実に先輩から卒業出来たと思う。