敏樹と良介の視線が、礼奈のバストをとらえ、思わず俺は礼奈の前に立ちはだかり二人の視界を遮る。

「見るなよ」

「アホか、ここはプールだ。みんな水着なんだよ」

「礼奈を見たら殴る」

「アホ、アホ、アメンボウみたいに一生泳いでろ」

 俺達はプールで泳ぎ夏を満喫する。屋内プールの天井から太陽の光が差し込み、プールの水をキラキラと輝かせた。

 礼奈は水着のまま、俺にギュッと抱き着く。

 おおおーー……。
 
 姫の戯れに、俺の目尻は下がりっぱなしだ。

 いつも抱き着かれているけど、洋服と水着では感触がかなり違う。ていうか、たまらん。

 俺、大丈夫かな。
 冷静になれよ、オレ。
 ここはプールだ。

「創ちゃん、どうしたの?」

「な、な、なぁんでもナイ」

 温水プールじゃなのに、喉がカラカラで逆上せそうだ。

「創ちゃん、ジュース飲む? 礼奈が買ってこようか? 礼奈はタピオカにする」

「礼奈はダメ、みんなが見るから」

「えっ?」

「可愛すぎるだろ。やっぱりスクール水着でよかったかも。刺激的すぎて、ヤバい」

「はっ?」

「他の男に水着姿を見せないで」

「創ちゃん、ここはプールだよ。うふふ、心配性だね。みんな水着だし、誰も礼奈なんて見ないよ」

「ダメダメ、俺が買って来るまで、ずっと水の中にいて。それが無理なら上にTシャツ着て」

「……海じゃないんだから。屋内プールでTシャツ着れないよ」

「じゃあ、人魚姫みたいに水の中にいて」

 クスクス笑ってる俺のお姫様。

 そのキュートでセクシーな水着姿は、俺だけのもの。

 他の男に見せてなるものか。