「そうして、王子様はお姫様を助け出し、王国に帰り、末永く幸せに暮らしました」 「よかったねぇ!」 「ええ、本当にね」 お母さんは、女の子の頭を優しくなでた。 「いつか、マナちゃんにも白馬の王子様が現れるわよ」 まだ幼い女の子は、その言葉の意味するところが理解できず、小さく首を傾げた。 * * * *