ーーその日の週末。



都内にある一流ホテルの大宴会場ホールで行われたパーティー。


編集長に周りに浮かない様おそれなりの格好をしていけ!と言われ、たまたま去年友人の結婚式できた淡いピンクのドレス一式があったので、それを着て会場入り。




「うわぁ....」


会場に入るやいなや、人の多さに目を見張った私。


もちろん知り合いなどいるわけもなく、

私はひとまず主役に挨拶をと賑わう会場を歩き回った。



しかし編集長から名前を聞かされていただけで実際の所、誰が北村先生なのか検討すらつかない。


右も左もわからない場所で、

手当たり次第それらしき人を探すが全く見分けがつかなかった。




ーー困ったな....。



一応出版社の代表として来ている訳で、

挨拶の一つもしなかったら北村先生が出版社に対してどう思うか....。



あそこの出版社は礼儀も知らないのか!とそれこそ逆鱗に触れたら、

私の首が飛ぶどころじゃ済まされないかもしれない。