「まぁ…よく逃げられましたよね。 あの、黒髪の"女性"に」


「黒髪……」


少女、ソフィさんはカァッと赤らめた。


その反応に私とレイちゃんも不審に思う。


「あの、ソ「ソフィ様!」」


私の声を遮って、ソフィさんに駆け寄ってきた。


長い黒髪がサラリと揺れる。


「「……!」」


……本当にキレイだよね、ダァチさんの女装姿。


そして私の方に視線を向けるや苦笑いを浮かべ人差し指を唇に当てる。


縦に頷いた。


「……捜しましたよ。 勝手に離れられては心配いたします」


声は少し高めだった。


「ご、ごめんなさい。 それで……」


「今は僕しかいません」


一瞬だけどソフィさんホッとした顔をした。


「お二方、ソフィ様の側にいてくれてありがとうございました」


「いいですよ。 お話できてよかったですし」


レイちゃん、スゴくニコニコしてる。