陸もまた、私の突然の発言に少しだけ驚いたような顔をした。 それでもすぐに嬉しそうな笑顔になる。 「いいよ。俺ももうちょっとだけ、ななちゃんと一緒にいたい」 そう言って私の肩に手を伸ばすと、自分の方に引き寄せそのまま額にそっとキスをした。 「じゃあ、行こっか。部屋まで送ってく」 「うん」 いつもは一人で下りる車。 いつもは一人で歩く家までの道のりを、今日は陸と並んで歩いていた。 繋がれた手が嬉しかった。