「今日はもう送ってくよ」 私の不満げな顔など全く関係なさそうに、陸は額に手を当てながら言った。 せっかくの2人の時間。 本当はもっと一緒にいたかった。 それでも心配してくれている陸の気持ちや、今の現状では何の落ち度もない。 正当な発言を覆すだけの我が儘を言える程、私は可愛くできてはいない。 「うん。わかった」 私はしかたなく素直に返事をするしかなかった。 ベットから起き上がると、陸がそっと抱きしめてくれる。 優しくて、温かくて、心地よい温もり。 ずっとこのままでいたかった。