真実を知る私の数人の友人達も、冷ややかに彼を見つめる事はあっても、その事については何一つ語ることもしなかった。 暗黙の了解。 それでいいのだ。 理由なんて、本来何の意味ももたない。 『ああ、七海ならあり得そう』 そんな風に終わってしまえば、それでいい。 私はただ、これで心置きなく陸に会える。 それだけで十分だった。 結果、私は小さな足かせを取り除けたのだから。 * * *