帰りぎわにポストを覗いてみた。 中に入っていたのは電気料金の請求書とか、どこかの店のハガキとか。 分かってはいたけれど、私の望んでいた物はまだ無かった。 陸が帰ってくるのを待ちわび、陸からの手紙を待ちわびる。 考えてみれば、こんな風に誰かを、何かを待ちわびた事など一度も無かったかもしれない。 所詮私は子供で、結局は見返りを求めてしまうから。 陸の気持ちが見えなければ壊れてしまう。 苦しいだけなら、きっと逃げ出してしまう。 無償の愛なんて、私は知らない。 * * *