私の降りる駅の一つ手前で裕美と別れる。 ホームに降り立ち、冷たい風に体を少し寒そうに縮こめながら手を振る彼女に、私も電車の中から手を振り返した。 聞こえていないと分かっていたけれど、私は『また明日』そう呟いた。 優しく笑う裕美の唇が、私と同じ言葉を呟くように動いた気がしてなぜだか嬉しかった。 『また明日』 当たり前のように会えると言う事が、今はどんなに大切な事なのかわかる。 当たり前な日常が、どんなに幸せな事なのか。 今は良くわかる。