「ねえ、陸さんの友達でフリーの人っていないの? イケメン紹介してよ」 「イケメン?」 「そっ、イケメン!」 裕美はそう言って思わせぶりに微笑む。 私は頭の中で陸の友達や、お店の常連客の顔を思い浮かべていた。 もちろん、誠二さんも。 「まあ…居ない訳じゃないけど」 「マジで!?」 「でも、陸とはタイプ違うよ。イケメンはイケメンだと思うけど。 それでも良ければ、陸が帰って来たら話してみるよ」 裕美のキラキラした瞳の中に、自分の顔が映って見えた。