どんな言葉で答えたらいいのだろう。 勿論、気持ちは一つなのに。 「ねえ…陸。私ね…彼氏と別れたんだ」 「うん。知ってたよ」 「そっか…。知ってたんだ」 「うん。知ってた。 俺、ななちゃんの事ずっと見てたから」 陸の顔が涙で滲んで見えなくなった。 彼もまた、この涙を止める術を知らない。 * * *