「オイ、そんなマジになるなよ。冗談だろうが。そういう奴が多いって言ってるだけだろ」
「………」
「それに、俺だってあの人と多少は関わってんだ。そういう人じゃないってことぐらい知ってる」
──俺を見くびるんじゃねぇよ。
そう言った響は気だるげに近寄ってきて、不貞腐れている私の頭をクシャクシャと乱暴に撫で回した。
「……次言ったら“恋人契約”解除するからね」
そう言ってフンっと鼻を鳴らしてそっぽを向くと、
「は?ちょ、それは勘弁!もう言わない!言わないから、な?華恋ちゃん」
急に態度を一変させた響。
「響次第」
「分かった!もう言わないって!だから俺から平穏な日々を取り上げるなっ」
「知ーらない」
「ちょ、華恋!」
本気でオドオドする響に思いっきりあっかんべーをした私は、ツンッと顔を背けながら響の横を通り過ぎた。
「華恋ちゃん~」
そんな私に猫なで声で機嫌を取りに来る響は最早いつもの俺様響ではない。
簡潔に言えば、今流行りの草食系男子。
ホント、こういう時だけそんな声出して都合良いんだからっ!


