「大学も、合格おめでとう」

「ありがとう。って、それ、何回も聞いてるよ?」



電話越しに何回も聞いたその言葉。


まさか逢っても言われるなんて思ってもいなくて、苦笑が洩れた。



「直接言いたかったんだ。華恋ちゃん頑張ってたから」



そう言って、そっと頭に乗せられた手。


久し振りの温もりに胸がドキッと高鳴る。



「誉くんのお陰だよ。電話で色々教えてくれたから」



そう。

合格出来たのは誉くんのお陰だ。


毎日のように電話で分からない問題の説明してくれたから。


誉くんがいなかったら受かってなかったかもしれない。



「違うよ。華恋ちゃんが頑張ったからだよ」



──こっち来て。


そう言われて手招きする誉くんについて行くと、座らされたのは真っ白なベッドの上。