「きっと、寂しい思いをさせる事になる」
「……誉くん」
言葉と共にギュッと強く握り締められた右手。
「それでも?」
「……うん。良い。誉くんの心が近くにいてくれるのなら、いくらだって我慢する」
握り締めてくれた手をそっと握り返せば、誉くんは本当に嬉しそうに微笑んでくれた。
その笑顔にまた心が温かくなる。
「……誉くん、私の気持ち受け取ってくれてありがとう。好きでいさせてくれて、ありがとう」
本当に。
本当にありがとう。
恋人らしいことが出来なくても、誉くんと両思いになることが出来た。
それだけで十分だよ。
他には何も望まない。
「俺の方こそ、ありがとう」
「……誉くん」
「好きになってくれて。傷付けたのにまだ好きでいてくれて、本当にありがとう」
「……っ、」
なんで。
「なんでそんな嬉しいことばかり言うのぉ」
誉くんの言葉に、せっかく止まった涙がまた溢れ出てくる。


