「華恋ちゃん」
「……はい」
涙をグッと堪えて、まっすぐ誉くんの目を見据える。
「さっき、言ったこと覚えてる?」
「さっき……?」
「そう。二人っきりで逢えなくても我慢出来る?って言葉」
「……うん」
誉くんが私を受け入れてくれたときに言われた言葉。
「二人っきりで逢えないどころか、学校で擦れ違っても他人のフリしなきゃいけない」
「……うん」
脳裏に蘇る、今までの出来事。
「出来るのは、電話だけ。それでも……良い?」
出来るのは、電話だけ……。
そんなの。
「……うん。良い」
良いに決まってる。
誉くんと電話出来る。
それがどれだけ幸せなことか分かってるから。
誉くんと少しでも関われるのなら、いくらだって我慢する。


