キスで結ぶ赤い糸



「私の気持ちに、応えてなんて……言わないからっ。だから──」

「……華恋ちゃん」

「……好きで、いさせて……」



お願いだから、“うん”って言って。



「誉くんが、好き、なの……っ」



お願い、だから。



「好き……大好き……」





もう、自分が何を言っているのか分からなかった。


自分の想いが届くように、ただただ呪文のように伝え続けるだけ。



だってもう、諦めるなんて出来ないってこと、分かったから。




「す──」

「一年」

「……っ、」

「一年、我慢出来る?」

「え……?」



いち、ねん……?



「二人っきりで逢えなくても、それでも華恋ちゃんは良い?」

「……っ、誉く、」



ギュッと握り締められる右手に涙が一筋、零れ落ちる。


だって。



「ねぇ華恋ちゃん、良いって言ってよ」



誉くんが、笑ってるから。



「華恋ちゃん」



困ったように。


でも照れ臭そうに、笑ってるから。



「さっきの言葉の意味、分かってる?」



……分かっ、てる。分かってるよ。


だけど、信じられないの。



「わ、私、誉くんのこと、……好きで、いていいの?」



誉くんが受け入れてくれたことが、信じられない。