「誉、く……誉くんっ」
「うん。聞いてるよ」
縋り付くように伸ばした右手を、誉くんが優しく包み込んでくれる。
一度閉じた目をうっすらと開ければ、いつもの穏やかな笑顔が視界いっぱいに映った。
……あぁ、もう駄目だ。止まらない。
「……許し、て…」
「華恋ちゃん……?」
「誉くんを好きでいること、許して……っ」
「……っ」
無理だった。
諦めるなんて、無理。
だって、
「朝も、昼も、夜もっ、……ゴホッ……誉くんのことが、頭から、離れないの……」
考えないようにすればするほど、頭に浮かんでくる誉くんの顔。
「授業なんて……身に入らない……っ」
近くにいると思うと余計に気になって探してしまう。
「……っ、誉くんがいないと、勉強なんて出来ないよっ」
もう、押さえ込むなんて無理だ。


