キスで結ぶ赤い糸




「ハイ、OK。明日もよろしく」

「………はい」

「立川、具合悪そうだけど大丈夫か?」


OKサイン入りの日誌を担任の先生から受け取った時、突然先生にそう問いかけられた。


私、そんなに顔色悪いんだろうか。



「……大丈夫です」


心配してくれた先生に一礼をして、その場から逃げるように立ち去る。






大丈夫、大丈夫。


………大丈夫。


そう何度も言い聞かせながら、職員室の扉を開けた───次の瞬間。



「………っ」



“大丈夫”という言葉は一瞬にして崩れ落ちてしまった。




………なんで?なんでいるの?


なんで誉くんがここにいるの?


さっき出て行ったはずじゃ……。