「華恋ちゃん、大丈夫?」

「……うん、大丈夫。ごめんね、心配かけて」

「何言ってんの。あたしらの前では強がんなくてもいいんだよ」

「うん」



……ありがとう。みっちゃん、吏架子。


二人がいてくれて良かった。

二人がいなかったら私、学校に来てなかったかもしれない。



だって。



「せんせーい!ココ分からないから教えて下さーい!」

「私も私もー」



だって、誉くんは、……先生は、いつも女の子に囲まれてるから。







“あの日”から三週間。

あっという間に春休みが過ぎて、新学期が始まった。



泣いて泣いて泣いて、泣き尽くした春休み。


みっちゃんや吏架子、響に愛華ちゃん。


みんな心配してくれて、私が何も考えなくていいように色々な所に連れて行ってくれた。


それでも、私の心の片隅にはいつも誉くんがいて、誉くんを想ってた。


どれだけ泣いても誉くんへの気持ちは消えてくれない。


むしろ強くなってる気がして、毎日が堪らなくツラかった。