「……分かった。ありがとう、返事くれて」
「華恋ちゃん、」
「私、頑張るから。誉くんが教えてくれたこと、絶対忘れない。忘れ、ないから……っ」
「華恋ちゃん……!!」
限界だった。
これ以上誉くんの前にいると思ってること全部言っちゃいそうで。
だから、逃げ出した。
誉くんにみっともない姿を見せたくなかったから。
このまま此処にいると、また我が儘を言って誉くんに縋り付いてしまう。
一年間我慢するからって。
だから好きでいさせてって。
そう言って、誉くんを困らせてしまう。
だから誉くんから逃げた。
「………っ」
これ以上誉くんを困らせたくない。
私のことを思って言ってくれてるってこと、分かってるから。
でも、分かっててもすぐに忘れることなんて出来ないよ。
だって、ずっと好きだったんだもん。
初めて逢った時から、誉くんのことだけが好きだった。
そう簡単には諦められない。
「……華恋?」
「響……私、振られちゃったよ」
──誉くん、気持ちの整理がつくまで、好きでいてもいいですか?