キスで結ぶ赤い糸



「華恋ちゃんが弁護士になりたいと思ってること、俺が一番よく知ってる」

「誉くん……」

「だから、華恋ちゃんとは付き合えない」

「………」

「華恋ちゃんの夢を、絶ちたくないんだ。華恋ちゃんが弁護士になることは俺の夢でもあるから」

「……誉くんの、夢?」

「そう。一年間一緒に頑張ってきて、華恋ちゃんの夢は俺の夢になった。だから、華恋ちゃんには頑張って欲しい」

「……誉くん」



ずるい。ずるいよ。

そんなこと言われたら何も言えない。

嫌だなんて言えないよ。



……なんで。

なんでウチの学校なの?

なんで誉くんの赴任先がウチの学校なのっ……!?



あと一年、

あと一年ズレていれば、誉くんと上手くいっていたかもしれないのに。


『好きです』って伝えて、誉くんからも『はい』って返事貰えて。

二人で笑い合って、あの時みたいに手を繋げていたかもしれないのに。


そう思うと、歯痒くて、哀しくて、泣きたくなる。