「……そう、だよね。誉くん、なりたかった先生にやっとなれたんだもんね。私が傍にいて何かあったら駄目だよね」
分かってる。
私が誉くんの妨げになってるって事ぐらい。
“教師”と“生徒”
それが誉くんにとって重荷でしかないこと、ちゃんと分かってる。
だけど、どうしても聞きたかったの。
愛華ちゃんと響のことを言ったら考え直してくれるかもしれないって思ったから。
でも、やっぱり無理だった。
「……っ」
私はもう、ただの“立川 華恋”として誉くんに逢えない。
“生徒”の“立川 華恋”でしか、逢えない。
そう思ったら涙が止まらなかった。
「──違う。違うよ、華恋ちゃん」
……なに、が?
何が違うの、誉くん。
何が違うのか私にはさっぱり分からないよ。
「俺が危惧してるのは自分のことじゃない。華恋ちゃんのことだよ」


