「誉、くん……?」
顔を上げれば、想像もしていなかった誉くんの表情が目に映って。
その表情に今度は私が驚愕に目を見開いた。
……うそ。うそうそうそ。
なんで誉くんの顔がほんのり赤くなってるの?
なんで恥ずかしそうに顔を逸らしてるの?
「誉く──」
「……っ、ごめ、やっぱ向かないで」
「……へ?」
急に閉ざされてしまった視界。
誉くんの手によって遮られたのだとすぐに理解出来たけど、なんで遮られたのかは分からない。
「……誉くん」
塞がれたまま小さくそう誉くんの名前を呼べば、視界を覆っていた大きな手のひらがそっと離れていって。
私は、戻ってきた光が眩しくて、それを遮断するように目を細めた。
「華恋ちゃん」
狭くなった視界に映っているのは、まだほんの少し赤い誉くんの穏やかな表情。


