輪廻する今日、六月一日。

「だったら、早く僕をもとの日常に戻して！こんな生活はもう嫌だよぉ……っ！」


　何度も悪いことをした。何度も人を殺した。何度も盗みを働いた。何度も自殺した。何度も、何度も、何度も……。

　それらに関しては、本当に申し訳なく思っています。すみませんでした！

　だから、これからはそんなことをしないように、全うした人生を歩んでいきたいから……僕を、もとの日常に戻してほしい。


「そうね。出来るものなら、私も早くそうしたい」

「えっ？今すぐじゃダメなの？！」

「お前が閉じ込められた六月一日の中でしてきた行い――すなわち“ズレ”を、修正しなくてはいけないの」

「ズレ……？」

「繰り返されてきた六月一日……お前はずっと、同じ行動をしてきた？」


　とある六月一日では人を殺し、とある六月一日では盗みを働き……同じ行動をしていない方が多い。


「いや、してない……」

「お前が違う行動をするたびに、世界線と呼ばれるパラレルワールドが生まれる。とある六月一日では人が死んだのに、とある六月一日ではその人は生きている……それを修正しないままにしてしまうと、死んだのか生きているのか分からない、おかしな世界になってしまうの」


　なるほど。それらをちゃんと修正しないと、もとの日常に戻れたとしても大変なことになってしまうんだ。