輪廻する今日、六月一日。

 今までに何度、お前らを殺してきたと思ってんの?

 殺しすぎて数なんて数えていないけど、そりゃあもう、たくさんの数を殺してきたんだよ?お前らの行動なんて把握済みだっての。

 それなのに真っ正面から突っ掛かってくるなんて本当にバカだよね。大丈夫?ちゃんと脳みそ、入ってる?


「なっ、なんだよ、その顔は」


 どうやら無意識のうちに、僕は怖い表情を浮かべていたらしい。

 それを見た佐藤は怖じけづいたのか、僕の衿元を掴みあげる力が緩んだ。

 その瞬間、僕は隠し持っていたナイフを、佐藤の肩に向かって思い切り突き刺した。そして、素早く抜く。


「ぐあああ……?!」


 痛みに跳ね上がる佐藤は、ふらふらと僕のもとから離れ、ナイフで突き刺された肩を押さえる。

 田中と鈴木は顔面蒼白していて、カタカタと震えているようだった。


「テメェ……何しやがるっ!」


 鋭い眼光で僕を睨みつけてきた佐藤だけど……あれ?全然、怖くないな。

 今のこの状況、僕が勝つことが確定しているからかな?

 ……いや、違うか。

 たとえ僕が負けても、目覚めたら自分のベッドの上。つまり、勝っても負けても同じ結果だって分かっているから、だ。