輪廻する今日、六月一日。

「おっ?」


 背後から聞き慣れた声がした。いちいち顔を確認せずとも、それが誰なのか……僕には分かる。

 佐藤だ。ということは、横には田中と鈴木もいるだろう。いつも金魚の糞みたいにくっついている、田中と鈴木も。

 振り返ると、ほら、予想通り。


「春夏秋冬じゃん。何?学校に来たわけ?遅刻かよ」

「のわりには、それ、私服じゃね?」

「ちゃんと制服で来ないとダメでちゅよ~、四季ちゃん?なんつって!」

「ぎゃははは」


 下品な笑い声をあげる3人に、僕は内心呆れていた。

 こいつらは……何度殺しても、こいつらのままなんだな。いくら殺しても、次に目を覚めたらまた元通り。呆れるっていうか、可哀相にすら思えてきたよ。

 だから、僕は。


「……ぷっ」


 哀れみの意味をこめて、笑ってやった。すると、僕の笑い声が聴こえたのか、ピタッと動きをとめる3人。


「何、笑ってるんだよ」


 睨んでるねぇ。おー、怖い、怖い。そんな顔をしていたら一生恋人が出来ないよ?なんてね。


「いやぁ、可哀相だなぁって思って」

「なにっ?!ふさげるなよ、春夏秋冬のクセに!」


 佐藤はものすごく怖い形相で僕の衿元を掴みあげた。が、僕はへらりと笑ってみせるだけ。