輪廻する今日、六月一日。

 ――じゃあ、邪魔者はさっさと排除しちゃおうか。

 タバコを吸っている見張りの先生の視界に入らないように行動したあと、背後からゆっくりと近付いて――首元に、ザシュッとね。


「う、あ……?!」


 うわー、血がとまらないねー?声をあげられたら困るから、今度も首元を狙わせてもらったよ。

 ガクッと膝を立て、そのまま倒れていくのをちゃんと確認したあと、首元に刺さっているナイフを引き抜く。

 うげっ、魚みたいにビクンビクンしてる。お母さんの時もそうだったけど……。きもちわる。

 遺体はそのままに、僕は意気揚々と学校の中に入った。

 まっ、遺体なら通りすがりの誰かが気付くでしょ。僕はしーらないっと。

 ナイフをくるくると回しながら、自分の教室に向かって歩く。

 んー、さすがにクラスメートの全員を殺すのは疲れるし、途中で捕まっちゃうかもしれないから、傷付けるだけでも十分としよう。

 今は休み時間なのに、廊下を歩いている人は少ない。もう少しで授業が始まっちゃうからかな?あーあ、クラスメートの誰か、廊下を歩いていないかなぁ……。