ガチャ。 結局、ドアから音がしたのは深夜の0時を回った頃だった。 結婚当初だって、連絡なしにこれほど遅く帰ってきたことはない。 あの時でさえ、素っ気ないけど電話くらいはくれた。 ざわざわと音を奏でる胸を落ち着かせて、玄関に向かうと 目に入ってきたのは、信じられない光景だった。