「一体何のつもりだ?」
蓮はミホの腕を掴みながら、眉をグッと寄せ睨みつけている。
「わ、わ、わたしは……そ…の…」
ミホは、真っ青な顔で視線を泳がせた。
「あ゛?」
「れ、れ、蓮さま…の為…を思って…」
か細い声でミホが言えば、蓮は掴んでいた腕を思いっきり払いのけ、
「は?誰がんな事頼んだんだよ!!」
と吐き捨てるように言った。
「失せろ。」
「次、こんな真似しやがったら女だろうが容赦しねぇ」
「ご、ごめんなさ…い」
私は、バタバタ走り去っていくミホ達を放心状態で見ていた。
何だかミホ達が可愛そうにも見えてしまう私は、偽善者だろうか…?

