ギャップ彼女 1

~隼人 side~


伊吹か出て行ってからというものの、時計ばかり気にしている悠斗。


「遅いな…。」



悠斗の呟き声が聞こえた。
悠斗も心配しているのであろう。俺も心配で仕方がない。何もなければいいが…



隣にいる蓮は、作業をしながらイライラしている。こいつも素直じゃねぇよな。



翔にいたっては、何か考え事をしているのか、パソコンの前で動かず固まっている。



翔が珍しい…。



そんな時、ガチャリとドアが開いた。
俺たちは、一斉に開いたドアの方へ視線を向けた。



ドアが開くなりペコリと頭を下げるリンちゃん。




「遅くなってすみませんでした。」

「すぐに作業しますね」



無表情のまま、顔を上げた彼女を見た俺達はギョッとした。



左頬だけが赤い。
真っ赤になった頬が、何とも痛々しい。



たくさん泣いたという事がバレバレの顔。なのに平然としすぐに作業に取り掛かるリンちゃん。


どうしたんだ?何があった?



後で伊吹に問いただそう。