「じゃぁ、行ってくるわね」 女手一つでここまで育ててくれた母には感謝している。 2人の子供を子育てしながら、お金を稼ぐ事がどんなに大変かという事は、自分なりに理解しているつもりだ。 だから私は、高校生になったら働いて少しでも生活費を稼ぎたかった。 少しでも、母の力になりたい。 母を楽にしてあげたい。 そう思ったんだ。 『行ってらっしゃい。あまり無理しないでね!!』 「ありがとう」 柔らかく微笑んだ母は、仕事に向かった。