あぁ…それにしても見た目通り陰湿な事やりそうだな…なんて考えていると、
バッチーン
辺り一面に、物凄い音がした。
……痛い。
いつの間にか目の前に現れた化粧バリバリ女が、私の左頬を思いっきり叩いたのだ。
「バカにしないで!」
『……。』
なんで思っていた事がバレたの!?
声には出してないはずなのに…
あ、もしかしてこの人…
エスパー?
化粧バリバリ女が睨んでくるが、おあいにく様、私は叩かれて泣くような女ではない。
なんで叩かれなきゃなんないのよ!!
キッと睨んだ。
バッチーン
『……。』
痛い…。
また叩かれた。
その横で、いい気味~と言いながらクスクス笑っているクルクル女。
と、そこへ誰かがこちらに向かって走ってくる音が聞こえる。
「やばいよ。みほ。行こ」
クルクル女が化粧バリバリ女を連れて駆け足で教室を出ていく。化粧女は「みほ」というらしい。
チッ
舌打ちと共に出て行った。
叩かれズキズキ痛む左頬を押さえて、ただ、立ちすくむ事しかできなかった。

